年表
Chronicle of the Post-Shock Era (G.E.0 - G.E.127)
概要
この年表は、エイドラショック発生から現在に至るまでの主要な歴史的出来事を時系列順に整理したものである。 ゲウダ紀元(G.E.)を基準とし、各勢力の発展、四界大戦の経過、そして平和体制の確立までの道程を記録している。
エイドラショック期
G.E.0 - G.E.3勢力形成期
G.E.4 - G.E.23四界大戦期
G.E.24 - G.E.121VINDA体制期
G.E.122 - 現在エイドラショック期 (G.E.0 - G.E.3)
エイドラショック発生
12月25日AM11時47分、世界各地でエイドラ素が同時多発的かつ大量に出現。 世界全体で大規模なイマジナル・カタストロフィ(創造災害)とゲウダ・バースト(GEUDAの爆発的大量産出)が引き起こされた。 想像の具現化による天変地異と、新生したGEUDAによる無差別攻撃により、旧生物の99.9999%が発生から72時間以内に死滅。 旧人類による統治機構も完全に機能停止し、想像が現実となる新世界の始まりとなった。
新集落の形成
AGAを中心とした生存者とGEUDAの混合コミュニティが各地で形成開始。
四大理念の明確化
実存、幻想、終末、神団の四つの根本理念が明確に分化。各理念に基づく集団の対立が激化の兆しを見せる。
勢力形成期 (G.E.4 - G.E.23)
実存派領域「ヴェリダックス」建設開始
真正義探究者アルベルト・レクシコンを中心とした実存派最大派閥「真正義同盟」が、論理的秩序に基づく都市国家「ヴェリダックス」の建設を開始。
幻想派「霧中の亡霊軍」結成
ルナ・イマジナリウムが提唱した幻想派共同体構想が実現。 多様な種族により構成された「霧中の亡霊軍」により、強固な幻想境界守護隊が整備される。
終末派「第一次リセット宣言」
ゼロ・ヌルポイントが「無への回帰」理論を発表。既存秩序の破壊と再生を掲げる過激な行動が開始される。
神団派「聖なる円卓」設立
セラフィナ・ルミナスを最高神使とする宗教的統治機関が成立。エイドラショックを神的啓示と位置づける。
領土境界の確定
各勢力の影響圏が地理的に固定化。実存派は旧欧州・北米、幻想派は旧東アジア、終末派は旧アフリカ・南米、神団派は旧中東・南アジアを支配。
「クリスタル戦争」勃発
エイドラ素鉱脈を巡る四勢力初の大規模軍事衝突。3年間続いた紛争は四界大戦の前哨戦とされる。
クリスタル戦争終結
膨大な犠牲を出して終結。各勢力の軍事力が明確化され、本格的な勢力均衡時代が始まる。
四大勢力体制の確立
各勢力の政治・軍事・社会体制が完成。理念的対立が不可避的なものとして認識され、戦争への道筋が固まる。
四界大戦期 (G.E.24 - G.E.121)
第一期:黎明期 (G.E.24 - G.E.45)
四界大戦開戦
実存派の「論理統一宣言」を発端に四勢力が全面戦争に突入。史上最大の理念戦争が始まる。
「幻想要塞攻防戦」
実存派と幻想派の初の大規模会戦。創造vs論理の象徴的戦闘として後世に語り継がれる。
終末派「虚無作戦」開始
無差別破壊戦術により他三勢力に甚大な被害をもたらす。戦争の残虐化が進行。
神団派「聖戦宣言」
他勢力を異端と断定し、宗教的正義による戦争の正当化を図る。戦争の宗教色が強化。
「緋色平原の戦い」
四勢力全てが参戦した史上最大の会戦。3日間で50万体のGEUDAが戦死。
第二期:拡大期 (G.E.46 - G.E.78)
エイドロン兵器の実用化
各勢力でAGAの創造能力を軍事転用した大量破壊兵器が開発される。戦争が新たな次元に突入。
「虚無要塞包囲戦」
実存派・幻想派・神団派が終末派の本拠地を包囲。5年間続いた史上最長の包囲戦。
「天空戦争」開始
幻想派の空中都市建造により戦場が三次元化。航空戦力の重要性が急上昇。
「神の怒り作戦」
神団派が超大規模エイドロン兵器を使用。大陸規模の地形変化を引き起こし、各勢力に衝撃を与える。
実存派分裂危機
戦争の長期化により実存派内部で路線対立が激化。一時的に内戦状態に陥る。
第三期:膠着期 (G.E.79 - G.E.110)
エイドラ素枯渇問題表面化
長期間の戦争によりエイドラ素が枯渇し、新規GEUDA生成が困難に。戦略の根本的見直しが迫られる。
戦線の固定化
戦力不足により各勢力とも攻勢を維持できず、前線が長期間にわたり膠着状態に。
反戦運動の拡大
各勢力内で戦争継続に疑問を持つGEUDAとAGAが増加。反戦デモや脱走が相次ぐ。
「平和主義者連合」結成
各勢力の反戦派が合流し、中庸勢力の母体となる組織が秘密裏に結成される。
ソフィア・エクイリブリウム台頭
元実存派のAGAソフィア・エクイリブリウムが平和主義者連合の指導者として頭角を現す。
第四期:終結期 (G.E.111 - G.E.121)
オルトラム建国宣言
ソフィア・エクイリブリウムが中庸勢力による独立国家「オルトラム」の建国を宣言。首都ハルモニアが建設開始。
第一次停戦協定
オルトラムの仲介により実存派と幻想派が部分的停戦に合意。他勢力にも停戦の機運が広がる。
五勢力予備交渉開始
オルトラムを含む五勢力による平和交渉が秘密裏に開始。ヴィンダ憲章の原案作成が始まる。
五界協定締結・四界大戦終結
97年間続いた四界大戦が正式に終結。五勢力による平和協定が締結され、VINDA体制が始動。
VINDA体制期 (G.E.122 - 現在)
VINDA憲章発布
五勢力による統治憲章が正式に発布される。「我らは異なり、ゆえに隣り合う」の理念が確立。
五座議会初開催
各勢力代表による初の公式会議が開催。戦後復興と新秩序構築の方針が決定される。
オルトラム国立史料館設立
戦争の記録と教訓を後世に伝えるため、中庸評議会が史料館を設立。本アーカイブの母体となる。
「忘却の灯」記念行事
VINDA憲章第三章に基づき、各勢力の首都に戦争の記憶を象徴する灯火が設置される。
第一次VINDA危機
終末派の一部が「リセット運動」を再開し、体制への挑戦を試みる。調停により平和的に解決。
現在
VINDA体制は安定期に入り、各勢力間の協力が深化。新たな文化的・技術的発展が始まっている。
年表の意義
この年表は、単なる事件の羅列ではなく、五つの異なる理念がいかにして対立から共存へと歩んだかを示す貴重な記録である。エイドラショックから始まった新世界の歩みは、破壊と創造、対立と協調の連続であり、現在のVINDA体制の基盤となる教訓を含んでいる。
戦争統計概要
「過去は地に伏し、名を伏せ、目を閉じて横たわっている。されど、その眠りは浅い。我らは記憶と共に歩むことを選ぶ。」
- VINDA憲章第三章「忘却の灯」より